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ふと一息つく

  • 執筆者の写真: 若林宏輔
    若林宏輔
  • 2018年7月17日
  • 読了時間: 3分

 暑い日が続いています。3連休に続いて猛暑日は続くようです。ついでに連休も続けば良いのでは?と思っていますが、皆さんいかがですか?まぁもう少しで夏休みですけど。

 どうやら40℃近い猛暑日が日本各所で起きているようで熱中症になる人も結構いたようです。若林は晴れを好むのと同時に、寒いよりも暑い方が割と好きな人間なので、猛暑日も結構悪くない印象を持っています。少し汗をかくくらいが健康には丁度よいのではないかとか思っています。まぁ研究室も自宅もエアコンをつけてますし、そもそもそんなに健康を重視してもいません。

 火曜日はPBL型講義の最終日。ほぼ全員がデータを取り終わり、分析もあの手この手で色々と試し、少なくとも手持ちのデータでベストと思える結果でレポートを書くことになりました。若林の印象というか経験では、多くの学部生が4回生の後期になるまでこういったプロセスを一から経験することがありません。データを採ってみるということはあっても、採ったデータから意味ある発見を生み出すまでのプロセスを経験するのは、多くの場合が卒論を書く段階になってからなのです。そのため卒論のために苦労して採ったデータが、当初予想していた方法で仮設通りにならないことが起こると、学生の多くは途端にやる気を失ってしまいます。若林(というか教員)からすると、むしろ本番はここから、楽しいのも頭の働かせどころも、実はこの段階からだという認識です。もちろんこれは経験的に知っているからというのも大きいのですが、通常であれば院生ぐらいからか、もしくは卒論の終わりぐらいに気づく人もいるかと思います。しかし、気づいた頃には卒論を提出し大学を卒業することになるわけですから、気づいても後の祭りという気がしなくもありません。教育って難しいですね。

 様々な場面で、予想や仮説通りにいかないことが、新たな問題の発見に繋がっています。仮説どおりにいかないということは、取り組んでいる問題の何かの端緒を見つけた可能性があります。また当初の仮説が、先行研究からしっかりと導出されたものであれば、尚更、従来の理論では説明できない現象である可能性もあります(まぁ実際はかなりレアですけど)。いずれにしても理屈上はこうなるはずなのに、上手くいかないという経験が、試行錯誤を生み出すことにつながっています。またその試行錯誤が新しい考えや方法を生み出すことの初動だと言えるかと思います。

 実験結果の分析方法に限らず、工作やパズルみたいな問題でも、だいたいは最初はうまくいきません。最初に思いつく限り試行錯誤してみても、まだ上手くいかないようなことも多々あります。そんな時は少し諦めて、ふっと一息つくような時間をおくと、ある瞬間に回答に思い至るということが多いように思います。そういった瞬間に問題を俯瞰するような、見ている枠組みを一つ大きくするような状態が生まれるのかなと解釈しています。ふと何となく回答に至る道に気づくというわけです。メタな視点取得というというところでしょうか。卒論という時間が限られた中で、こういった時間がいかに取れるかで質はかなり違うかなと思います。

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