キワモノの子
- 若林宏輔
- 2018年7月23日
- 読了時間: 4分

相変わらずずっと晴れが続いています。土日も晴れ続きで猛暑でしたが、どうやら日本の最高気温の記録が更新されたというような話も聞きました。関西も40℃近くまで気温が上昇していましたし、体感的には超えていたでしょう。そして、そういう日に限って外出する用事があるというのが若林の宿命ということで、今週の土日はいずれも外出しました。
まず土曜日は大阪の中心部で研究会があり報告をしました。一応、講演ということになるようですが、そこまで物々しくしたくないという気持ちでいます。かなり専門の話をしていますし、若林の研究の中心的なものの一つについて報告しました。聴衆の方もそれぞれ大学教員や専門家の方たちでした。若林の研究領域(法と心理)は、所謂「学際領域」と呼ばれる、複数学問が接触する領域に位置づけられます。つまり心理学と法(律)学の間というわけで、どちらかというと若林の研究の話は法学系の方々に需要があるのです。一方で、心理学者にはそこまで需要はありません(笑)。つまりキワ(際)モノというわけです。若林が学生・院生時代に、同領域についてはほとんど関心を払われてこなかったように思います。これは法学サイドでも顕著で、法学の人たちの心理学に対するイメージは、世間一般のそれと同じだったわけですから、やはり誤解も多かったように思います。最近は、その辺りの誤解が解けてきたのか、理解が深まったのか、ゆえにニーズも出てきたように思います。現在はむしろ、ニーズはあるけれど、それに答える人手が少ない、またその方法も少ないというのが現在の課題だと認識しています。
法学系の方とお付き合いするようになってから気づいたのは、研究者レベルになってから明確化してくることではありますけれど、学んだ学問が違うということは考え方から生き方まで違うということでした。例えば、法学部の先生の多くは大学でスーツを着ています。よってその弟子筋、つまり院生さんたちも普段からスーツを着ています。スーツを着ていることに驚いたというよりは、その師弟関係の絶対性みたいなものに驚いたという感じです。そういう意味で法学系の研究者のヒエラルキーは年功序列的だと思います。それに比べれば、心理学は、年功序列的雰囲気が全くないとは言いませんが、学問の議論上はある程度フラットな関係にあるように思います。法学の先生方が必ずしも序列主義ではないですし、あくまで異文化として見えるということです。むしろ主義的には平等・公正的です。また、とくに若林は門外漢ということもあるので、お話する機会があると大体は好意的に接してくれます(しょうがないからという感じでしょうけど)。ただ近づくに連れ、異邦人だから見えてくる内部事情というか違和感もあるわけです。また、これは法学部の研究者に限らず、法実務家の人たちにも同じような空気があります。これは年功序列だけでなく、司法試験という目に見える結果に基づく差です。そして裁判官と呼ばれる人たちは、そのヒエラルキーのある一つの頂点にいるというわけです。まぁ、そういう他領域の実際を知るということも学際研究の一つの面白さではありますし、学際の次の段階としての「学融」とは、こういった差異を個人の認識の中で解消していくプロセスかと思います(いつになく真面目な話だなぁ)。あぁ、それともう一つ明確に法と心理で違う文化としては、研究会後の懇親会場の雰囲気が全く違います。つまり。法学の方々が行くお店は比較的高級だということです。今回も高層ビルの上の方のお店に連れて行っていただきました。着物を着た女性がお客で来るようなところです。だいぶ前には祇園の料亭に連れて行って頂いたこともあります。若林は個人ではまず入らないエリアです。
日曜日は、学会の委員会業務で東京に行きました。これはイレギュラなもので、当初はS先生が参加される予定でしたが、急遽若林が参加することになりました。数日前には決まっていたので、準備も多少時間が取れました。ただ普段参加しない会合ですから雰囲気がわからないのものあって、少し緊張していたように思います。主に何を聞かれるかわからないという状況に緊張したということですね。実際は、その会議に知っている先生も複数いらっしゃったりとフランクな会でした。まぁ色々と業務は増えましたけれど。夜は飲み会もありいろいろと普段は聞けない学会の内情(?)についてお話を聞くことができました。学会員といっても、長く関わってきた学会とそうではない学会があり、その違いによって時間や労力の力加減が違います。今回の会議を開催している学会は、実は若林は数年前に学会員になったばかりで、どちらかといえば新人の部類に入ります。正確には入っていてもおかしくない学会だったのですが、何故か長いこと敬遠していました(理由はとくにない)。ひょんなことから、学会に入ったところ、すぐに大会開催をすることになってしまいました。今でも驚いていたります。ちなみに会議後の懇親会は「鳥貴族」です(笑)。
日曜日は東京で一泊し、月曜日の昼過ぎには東京在住の友人数名と会いました。その日の夕方に関西に戻っています。その意味で月曜日はお休みでした。
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