top of page

旅は帰ってから2週間ぐらいまで

  • 執筆者の写真: 若林宏輔
    若林宏輔
  • 2018年7月24日
  • 読了時間: 4分

 あいも変わらず晴れ続きです。毎日が猛暑とか酷暑となっていますけれど、もう慣れてきたのでは?と思います。そうこう言っているうちに週末は台風が来るなんて噂も聞こえてきました。この酷暑も今週いっぱいか…と思うと、今のうちに楽しんでおかなければ!とい気持ちになりませんか?ならないか。

 大学は昨日からテスト期間に入っているために講義はありません。そういう日が来ると放置しておいた仕事を一気に片付けようとなります。この日は出張関係の書類を一つ作成しました。6月末に行った国外出張のものです。通常、出張関係の書類は、行く前には出張予定の申請と、帰ってきて2週間以内に出張完了の書類を提出するというルールがあります。今回の書類は後者で、通常は2週間以内に出すものですが、今回の出張の旅費に充てる予算の正確な額がまだ決まっていなかったので、先月くらいに事務の方からペンディング扱いになっていました。ただしこの予算が7月末には決まるということで、いよいよ書類作成にかかったというわけです。こういったケースは珍しいですね。

 書類といっても出張前に支払った旅費の領収書の類を整理して、出張の行程表と一緒に提出をするだけです。が、実は簡単に思えるこれらの作業に結構手間がかかります。というのも、まず航空券の半券や、領収書に全て直筆のサインと押印が必要です。また最近は領収書だけでなく、支払いに使ったクレジットカードの明細も出すようにという指示があったります。これが結構面倒で、海外出張の場合、航空券の予約や大会参加の支払いは大体半年ぐらい前には終わっています。そのため自分がそれらを何月に支払ったかを探すのに結構時間がとられてしまいます。最近はネットでクレジットカードの使用明細等は印刷できるようになっていますが、その支払以外にも支払い履歴がある場合だと、一度印刷して、他の内容を全部黒塗りし、それのコピーをとって提出するという手間があります(サインと押印もいる)。これも、同じ月に全部が払われていればよいのですが、複数月にまたがる場合やクレジット会社を変えている場合は、また複数のサイトに飛んでこれらの作業をしなければなりません。R大学では、研究費等の予算関係はとても厳重に事務方に管理されていますので、多分他の大学ではこのやり方は一般的ではないと思います。そもそもどうしてこういことをさせているかというと、出張の場合は「カラ出張」の防止のため、ということになります。科研費は税金ですし、他の予算も色々な出処がありますけれど、不正使用がないように厳重にチェックされるようになっているのです。

 研究費と一言で言っても実は複数の種類があります。一般的な人がイメージする大学教員の研究費とは、上記に書いた科研費(科学研究費補助金)かと思います。科研費は、日本学術振興会が交付している税金に基づく研究費です。他にも省庁関係、企業や行政、財団等が交付しているものがあります。

 ときどき研究費の不正使用などで騒がれるのは、ほとんどがこの科研費になります。また、こういった事件が起きる度に、利用が厳密に管理される(手続きが煩雑になる)ようになるようです。以前、科研費の利用について研修を受けましたが、同時に過去の不正使用についてもレクチャを受けました(もちろん、やれという意味ではありません)。だいたい不正使用がされる場合、そもそも巨額の研究費が当たっている場合が多いようです(億単位とか)。つまり1万円や2万円のために実行されることは殆ど無いわけです。また大きな予算がつくということは、その予算の一部はどこかの企業に支払うことが想定されているケースが多いでしょう。つまり実験装置や材料にお金がかかる研究で、それを下請けする企業が複数あるような場合です。詳しくは書きませんけれど、そういった状況があると、少しでも得しよう、増やそう、使いやすくしようという人間が、研究者だけでなく現れるというのが実際かと思います。

 また実はこの科研費は、大学の教員でも、もらっている人ともらっていない人がいます。つまり申請してから、審査され、採択された場合にのみ予算がもらえるというものなのです。最近では科研費は申請者数に対して2割程度の採択率だという数字が報告されていました。これはかなり少ない数字かと思います。また、この事実を知らないで、大学教員に「税金で旅行できるんでしょ?良いね?」みたいなことを聞いてくる人がいますが(笑)、そもそもその人が科研費をもらっているかどうかで、この発言の意味は全く異なります。企業の予算などは税金ではありませんし、そもそも大学自体が用意している研究費もあるからです。つまりどの出張かによって充てる予算は異なっています。

 ちなみに若林は2年前に科研費が採択されているので、今年までは科研費ホルダーですが、今年の9月には再び研究費を申請することになります。書類と格闘する日々が近づいていますね(ドキドキ)。ちなみに今回の出張の予算の出処は税金ではありまんし、学内のプロジェクト予算での出張です。だから何をしても良いというわけではありません。あしからず。

Comments


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

Copyright© 2018 Kosuke WAKABAYASHI All Rights Reserved.

Last update 14/04/2025 Since 02/18/2018 
bottom of page